審査が厳しいと評価されることの多い銀行系カードローンは、他社借入のある人にとって敷居の高いものではないでしょうか。
審査でどのように判断されるのか、気になりますね。
- 現在も返済中だけど、どうしても低金利で借りたい
- 他社借入があっても審査に通るコツを知りたい
こんな疑問を解決するために、キャッシング2社目以降の人に銀行系カードローンが向いている理由・審査に落ちる人と通る人の違いを解説します。
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他社借入がある方は低金利の銀行カードローンがおすすめ!
銀行系カードローンは最高14%程度の低金利が魅力です。実際に大手消費者金融と比較してみましょう。
- 【例】50万円を借りて24カ月で完済する場合アコム(金利18%)で借りた場合…
- 総返済額599,079円/毎月返済額24,962円/利息99,079円
- 三菱UFJ銀行「バンクイック」(金利14%)で借りた場合…
- 総返済額576,143円/毎月返済額24,006円/利息76,143円利息の差:22,936円
参考:アコム「ご返済シミュレーション」
借りる金額が大きくなるほど・返済期間が長くなるほど、金利の差は重い負担になります。
他社で返済を続けている人にとって、カードローンを選ぶ上で金利比較は欠かせません。
高金利でキャッシングを繰り返すと、たちまち「借りては返す」自転車操業に陥ってしまう可能性があるためです。
低金利の銀行系カードローンは、すでに返済中の人にこそおすすめできます。
銀行カードローンは借り換え・おまとめにもおすすめ
銀行系カードローンの利用目的は「基本的に自由」です。
おまとめ目的で契約して、消費者金融の借入残高を借り換えることも出来ます。
金利負担を減らして着実に完済を目指したり、毎月返済額を減らして月々の収支のバランスを見直したりすることも出来ます。
ここで気になるのが「そもそも他社借入のある人が銀行でキャッシングできるのか」という問題です。
他社借入があると銀行カードローンの借入審査に通りにくい
銀行系カードローンの審査では、他社借入が不利となります。審査に通っても融資限度額を引き下げての契約となる場合が多いのも現状です。
銀行が他社借入のある人に対して渋る理由は、次の3つです。
通りにくい理由①無担保比率・返済比率
消費者金融があまり重視しない審査項目として「無担保比率」「返済比率」の2つのバロメータがあります。銀行では、カードローンを含む全ての融資審査でこの2項目を重視しています。
返済比率は年収に対する返済額の割合のこと
年収に対するに年間返済額の比率を指します。
適正ラインは20~30%程度と考えられており、35%を超えると銀行系カードローンの審査に通ることは非常に難しいとされています。
年間返済額には、他社借入だけでなく各種ショッピングローン・住宅や自動車ローンも含まれます。
無担保ローン比率は年収に対する担保なしローンの割合のこと
年収に対する「担保設定なしで契約しているローン」の比率を指します。
他社借入・クレジットカードのキャッシング枠の利用分も含めて、年収の1/3以下が審査通過の目安とされています。
これらが適正ラインを超えると、収入に対する返済負担が大きく・ちょっとした収入減でたちまち支払いが難しくなると判断されてしまいます。
他社借入が審査上不利になる理由の最たるものです。
通りにくい理由②おまとめ・借り換えで他社に移る可能性
お金を借りること=銀行にとって資産が減ることと認識しがちですが、そうではありません。銀行にとって、カードローン利用者からの利息は大切な収入です。
もし利用者が「もっと返済負担を減らしたい」と考えて他社に借り換えてしまうと、銀行は先々の収入を失ってしまいます。
そのため、すでに返済に無理のある人・2社以上から借りることになる人は、魅力的なお客とは言えないのです。
通りにくい理由③金銭感覚を疑われる
申込者条件にある「返済能力」について、貸金業者や銀行がどのように考えているかご存知でしょうか。
もちろん収入が多いことも返済能力のひとつですが、もっと大切なことが「収支のバランスを適正に保てること」も意味します。
つまり、金銭感覚も返済能力のうちだと考えられています。
他社返済中に2社目・3社目から借りる人は、やむを得ない理由があったとしても、金銭感覚を疑われてしまいます。
他社借入があるのに銀行カードローン審査に通る人の特徴
しかし、他社借入があるからといって諦める必要はありません。
銀行は様々な情報から総合的に返済能力を判断します。申込者属性・信用情報の他の項目が高く評価されると、審査に通る可能性が開けます。
審査に通る人の特徴①年収が高い
収入が多く毎月の可処分所得(収入から固定費を差し引いた用途自由のお金)が十分あると判断された場合、他社借入があっても審査に通りやすくなります。
他社で契約した後に転職・昇進等で大きく年収が伸びている人は、当初の返済計画に比べて収支バランスにゆとりが出ています。
このような人は、返済中でも審査に通る傾向があります。
審査に通る人の特徴②社会的地位がある
銀行の融資審査では、カードローンに限らず社会的ステータスを重視します。
例えば弁護士・医師であれば、国家資格のなかでは平均年収最高の職業です。
仕事をしていく上でスキャンダルを避けたい職でもありますし、銀行にとって「返済トラブルを起こす可能性が低い人物」と安心できる要素になります。
反対に、タクシー運転手・水商売などは、銀行はあまり歓迎しません。
完全歩合給で長続きしない仕事というイメージがあり、返済できなくなる可能性も高いためです。
銀行では職業や雇用形態別のデータベースを作成しており、申込者の社会的地位を慎重に採点しています。職業倫理が求められて安定した職業は、審査上有利となります。
審査に通る人の特徴③総借入額が年収の3分の1以下
すでに「無担保比率は年収の1/3以下が適正ライン」ということは述べましたが、ほかにも「総量規制」があることをご存知でしょうか。
総量規制とは、貸付上限を年収の1/3までとする貸金業法上の制限です。本来、銀行に総量規制を守る義務はありません。しかし貸しすぎ問題が指摘されるようになり、2018年からは自主的ルールとして総量規制審査を始めています。
地方銀行は「年収の1/2まで」とゆるめの制限にする傾向にありますが、それでも年収の1/3以上の借入残高がある人は、銀行内の審査マニュアル上不利となってしまいます。
おまとめ・借り換え目的の人でも、しばらく他社で返済を続けて借入残高を減らしている人の方が審査に通る傾向にあります。
審査に通る人の特徴④借入件数が2、3件程度でとどまっている
借入件数が多いと、残高の総合計は少なくとも「きちんと返済日の管理は出来ているのか」と疑問に思われてしまいます。
- 借りたお金を返済に充てる「自転車操業」
- 銀行で借りた後に、悪意をもって他社で手あたり次第にキャッシングしたあと破産する
こうしたあらぬ疑いをかけられて、審査に落ちてしまう理由となります。
他社借入件数で適正ラインとされるのは2~3件程度で、これ以下の件数の人が審査に通りやすくなります。
審査に通る人の特徴⑤信用情報に返済トラブル・債務整理歴がない
貸金業者や銀行は、審査の際に必ず「信用情報(クレジットヒストリー)」を照会します。ここに過去の返済トラブルが記録されていない人は、銀行の審査で有利になります。
返済トラブルで最も軽いものは「返済遅延(2ヵ月以内)」ですが、債務整理については重大な金融事故として扱われています。
こうした重大な事故情報が記録されている人のことを「金融ブラック」または「ブラックリストに入っている」と表現しますが、事故歴は永久に記録されるわけではありません。
一定期間が経つと抹消されます。
事故情報が抹消されるまでの期間 | |
---|---|
返済遅延 | 1~2年 |
任意整理 | 完済から3~5年 |
自己破産・個人再生 | 8~10年 |
代位弁済 | 5年程度 |
気を付けたいのが、代位弁済です。
返済に2ヵ月以上遅れたことがあると、保証会社が借入残高を全額立て替えている可能性があります。
立て替えが行われたことを「代位弁済」と呼び、滞納ではなく重大な返済トラブルとして記録されてしまいます。
審査に通るか心配であれば、3社ある信用情報(CIC・JICC・全国銀行協会)に信用情報を照会してみましょう。
審査に通る人の特徴⑥申込情報に嘘がない
実は、これが審査に通るために最も重要なことです。銀行系カードローンの審査に通る人は、どんなに属性に自信がなくても、申込書にはきちんと本当のことを書きます。
ところが、他社借入のある人のなかには、軽い気持ちで次のようなウソをついてしまう人もいます。
【よくある嘘…】
- 他社借入件数を少なく書く。
- 他社借入残高を少なく誤魔化す。
- 年収を数十万~数百万円単位で水増しする。
こういったことは、絶対にやめましょう。申込時にウソをついたことがバレてしまった場合、その銀行では二度と審査してもらえない可能性があります。
前述した職業別&雇用形態別のデータベースには、平均年収の情報もまとめられています。他社借入件数や残高についても、信用情報機関で随時更新されているため、ごまかすことは出来ません。
きちんと返済意思があることを理解してもらうためにも、申込書にウソを書かない誠実さは欠かせません。
審査に通るとしても複数借入は危険!その理由は?
銀行系カードローンの審査に通っても、油断して限度額いっぱいまで無計画に借りるのは禁物です。
あっという間に返済が難しくなり、借りたお金で返す「自転車操業」に陥りかねません。
これは、債務整理に至る人の傾向でもあります。まずは、多重債務とはどんな状態であるか理解しましょう。
余裕を持って返済できても「多重債務者」扱い
多重債務と言えば「借入残高や毎月返済額が多くなりすぎて返せない状態」をイメージしますが、本来の意味とは異なります。
金額ではなく借入件数の多さが、本来の多重債務の定義です。
具体的に、多重債務の例を挙げます。AさんとBさんの他社借入残高の合計は、同じ300万円です。
- Aさん:借入件数1社。X銀行から300万円借りている。
- Bさん:借入件数3社。X銀行から120万円・Y消費者金融で90万円・Zカードで90万円借りている。
この2人のうち、多重債務の定義に当てはまるのはBさんです。
A・Bさんの両名が同じ銀行系カードローンで新規申込をした場合、Aさんに比べてBさんのほうが審査に落ちる可能性がはるかに高いと言えます。
多重債務の本当のデメリットとは
色んなローン会社で少額ずつ借入していると、低金利の会社で契約したつもりでも結果的に利息がかさみます。
その理由は、法定金利にあります。
金利上限は融資限度額に応じて決められており、一社でまとまった金額を借りるほど金利が安くなる仕組みになっています。
融資限度額ごとの法定金利 | |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10~100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
前項で挙げたBさんの例に戻ってみましょう。Bさんは3社でそれぞれ次の金利で借りているとします。
- X銀行:金利14%・融資限度額120万円
- Y消費者金融:金利18%・融資限度額90万円
- Zカード:金利17%・融資限度額90万円
もしZ借入分もYでキャッシングしていた場合、融資限度額が180万円となることで、金利が法定の15%以下に下がっていたはずです。
結果的に総返済額に大きなムダが生じており、完済までの負担が大きくなっていると分かります。
銀行系カードローンで多重債務者が続出・自己管理は必須
特に最近は、銀行系カードローン利用者が多重債務に陥りやすいと指摘されています。
低金利で返済負担が少ないことに加えて、2017年まで「限度額増枠により年収の50%以上も借りてしまった」というケースが多発していました。
返済計画をしっかり立てないままキャッシング残債が膨らみ、やがて増額審査に通らなくなってしまいます。
すると他の銀行系カードローンや消費者金融へ申し込みますが、これを2~3度繰り返すうちに、多重債務が原因でどこからも借りられなくなります。
最終的に自己破産を選択したり、ヤミ金被害にあって警察に相談したりする人が増加傾向にありました。
これを防ぐために、銀行は前述した総量規制の自主的ルール化を進めています。
しかし、利用者側も十分注意しなければなりません。住宅や車などの本当に必要なローンが組めなくなるだけでも、大きな痛手となります。
他社借入は銀行おまとめローンを使って一本化しよう!
生活費や一時的な出費のために銀行系カードローンを検討している人も、これを機に他社借入のおまとめを検討してみましょう。
月々の返済負担が減り、将来設計が立てやすくなります。
借り換え・おまとめローンの審査に「総量規制」はない
2018年から銀行が自主ルール化した「総量規制(融資上限を年収の1/3に制限する法律)」では、借り換え・おまとめ目的の利用は対象外とされています。
希望融資額、つまり借り換え元の借入残高に関わらず審査してもらえるというメリットがあります。
急いで借りる必要のない人は、まず借り換え後に一定の返済実績を積んでから銀行系カードローンにチャレンジすることをおすすめします。
月々の返済負担が減ることで銀行の重視する「返済能力」もアップし、より信用力を高く評価してもらえます。
収入を増やすことよりも簡単にできる、銀行系カードローンの審査対策です。
まとめ
銀行系カードローンの契約において、他社借入が不利になることは否めません。申込書に嘘は書かないこと・滞りのない返済実績をきちんと積んでおくことも、審査に通るための基本として心がけましょう。
おなじ他社借入残高でも、借入件数が3社を超える人は「多重債務」と見なされてしまいます。
審査上不利になるだけでなく、返済負担が大きくなることを考えてもデメリットしかありません。
なるべく完済しておく・すぐに完済できないのであれば借り換えやおまとめを利用することも、銀行系カードローンの審査に通るための秘訣です。