「消費者金融でキャッシングしたものの、金利が高くてなかなかローン残高を減らせない」
銀行系カードローンへ申し込みたい人のなかには、このような借り換え目的の場合も多いのではないでしょうか。
あらかじめ借り換え目的であることを申告してカードローンに申し込む場合、審査項目は借入中の金利や残債にまで及びます。
借り換え審査が厳しい理由・審査基準と落ちてしまう人の特徴を紹介します。
※本ページにはPRが含まれます。
銀行カードローンの借り換え審査は新規借入審査よりも難しい
銀行は「利息を減らすことで効率よく返済したい」と考える人しか借り換えに応じません。従って、他社借入があることが前提の借り換え・おまとめローンは、生活費や旅行費等の利用目的で新規申込するより際より審査基準が厳しくなります。
「収入が減って返済に苦しんでいる人・金銭感覚に乏しい人は、原則として受け入れたくない」というのが、審査の基本的な考え方となります。
借り換えの際は次の2点を印象付けることが審査通過のポイントです。
- 現時点で十分な収入があり、返済とのバランスが崩れていないこと
- あくまでも金利負担を減らすために借り換えしたいこと
併せて、銀行系カードローンには借り換えOKと明記してあるもの・そうでないものの2種類があることにも注意が必要です。
どの銀行でも借り換えやおまとめローンとしての利用目的は禁止されていませんが、Webサイトで積極的に借り換え目的をアピールしていない銀行系カードローンについては、審査基準が非常に厳しいと考えましょう。
審査が厳しいのは、借り換えに対する銀行の警戒心ばかりが理由ではありません。他にも、次のような事情があります。
審査が厳しい理由1:高額・低金利が前提であること
借り換え審査が厳しくなる理由は、借金の一本化に対する銀行の印象だけではありません。
高額の融資限度額かつ低金利で契約しなければならない分、貸主である銀行側のリスクが大きくなるという事情があります。
審査が厳しい理由2:借り換え目的は総量規制対象にならない
消費者金融が従う貸金業法では、融資を年収の3分の1に制限する「総量規制」という法令があります。
銀行も2018年より自主的に総量規制を始めていますが、借り換え目的のカードローンに総量規制は適用されません。
住宅ローン・自動車ローン同様に、法律で貸付上限を超えて契約することが認められています。
理論上は年収以上の融資すら可能であるため、銀行はますます貸付に慎重になります。
増額申請を経験していた場合は更に審査が厳しい
現在の借入先で増額申請を経験していた場合、貸主は次の点について疑問に思います。
- 増額で金利を引き下げて、返済負担を減らすことはできなかったのか?
- 返済負担が増えるのに、そもそも何故増額したのか?
カードローン申込書や収入証明書だけで、これに対し合理的な説明をすることは出来ません。より審査上不利になることは、覚悟する必要があります。
借り換え審査は厳しい!それでも対策をすれば通過は可能
非常に厳しい審査が行われる「借り換え目的の銀行系カードローン申込み」ですが、事前準備と申込時のポイントを押さえれば、審査に通過することは十分可能です。
「ウチに借り換えて欲しい」というのがキャッシング業者の本音
一般の人にはイメージしにくいことですが、銀行にとってローン事業は貴重な収入源です。「返済能力のある人に多額の貸し付けを行い、継続的に利息収入を得たい」というのが銀行の本音です。
借り換え審査を一切受け付けない・一律で審査に落ちるということは、まずありません。
借り換え審査の低い通過率は滞納者・多重債務者が下げている?
借り換え目的で銀行系カードローンへ申し込む人は、利息を下げて効率よく完済を目指したいという人ばかりではありません。
返済に遅れたままの人・多重債務に陥って本来は債務整理すべき状況の人も、苦し紛れに申し込んできます。審査担当者が信用情報を照会すると一目で「借り換えで問題解決できない人」と分かるため、当然は審査に通過できません。
こういった人による口コミ・評判等の存在が、借り換え審査は難しく通りづらいというイメージを助長しているということは否めません。
返済に対して積極的に、かつ計画的に取り組んでいる人なら、銀行で借り換えできる可能性は十分あります。
銀行カードローンの借り換え審査で見られる4つのポイント
銀行系カードローンでキャッシング利用残高をおまとめ・借り換えする場合、新規貸付時の審査基準に加えて、借り換え元の借入状況も詳しくチェックされます。
通常の審査基準との違いを重点的に解説します。
ポイント1:収入・返済能力
年収は最も重点的に審査されるポイントです。審査通過のカギを握るのは、年収に対する年間の返済額を示す「返済比率」です。年収審査の際、銀行は次の手順で返済比率を算出します。
- 借り換えたい金額から、月々の返済額を計算(3~5年程度で完済と想定)
- 毎月返済額の12か月分と年収を比較
返済比率20%以下が理想的と考えられ、銀行はこれを基準に借り換え可能か見極めを行っています。
…年間の返済額は60万円程度(毎月5万円)までが、無理なく返済できる範疇だと考えられています。
ただし、ここで紹介した例の限りではありません。
後述するように、借り換えたいカードローン利用分以外にも住宅ローン・自動車ローン・その他ショッピングローン等があれば、それも返済比率のなかに含められます。
ポイント2:信用情報
借り換えの際は、慎重に信用情報の確認が行われます。債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)による金融ブラックだけが不利な要素ではありません。
借り換え元での返済遅延が、通常の新規貸付よりも重大視されます。
ただし、返済遅延の情報に関して、銀行が借り換え元に直接連絡をとって確かめるわけではありません。あくまでも信用情報機関に問い合わせて、記録に残っていないか確認するのみです。
いわゆるブラックリスト(信用情報に残っている異動記録・金融事故)も含め、滞納・延滞情報も一定期間が過ぎると抹消されます。
金融事故歴が抹消されるまでの期間 | |
---|---|
任意整理 | 完済から3~5年 |
個人再生・自己破産 | 7~10年 |
返済遅延 | 1~2年 |
利用停止・強制解約されていた場合
カードの利用停止や強制解約処分(盗難や紛失以外の理由)を受けていた場合、これも信用情報機関に記録されています。
この場合「借り換え元で何らかのトラブルを起こしている」と判断され、審査に通過することが難しくなります。
利用停止・強制解約処分に関する情報抹消期間は、どの信用情報機関も公開していません。心当たりのある人は、JICC・CIC・全国銀行協会に情報照会してみましょう。
ポイント3:借り換え前の適用金利・ローン残高
借り換え特有の審査基準として、借り換え元での金利・残高が挙げられます。残高は前述の返済比率の計算の参考になり、金利については「借り換えに合理的な目的があるか」という確認として審査されます。
借り換え前の金利の方が安い場合「利息負担を減らしたいから借り換えたい」という目的は筋道が通りません。また、銀行が借り換えを認めるのは、利息負担の軽減目的のみです。
何か他の特別な事情がある場合、借り換え審査に通過できる可能性は低くなります。
借り換え審査で落ちる人の特徴
ここまでの審査基準を踏まえると、借り換え審査で落ちてしまう人には一定の傾向・特徴があります。借り換え申込みにあたって、現在の状況を振り返ってみましょう。
特徴1:新規借入後に転職や退職をした
借り換えにおいては、初めてキャッシングしたときからこれまでの状況・今後完済まで安定した収入を得られるかの2点を厳しくチェックされます。
勤続年数が浅いと「今後さらに転職して、収入が下がるのではないか」と危ぶまれてしまいます。
借り換え審査を受けるために、勤続年数1年以上の実績を積みましょう。
特徴2:金利に対して借入残高が多い
カードローンの返済方式である「残高スライドリボルビング払い(元利均等方式)」だと、金利が安いほど元本返済額(もともとキャッシングした額に対する返済額)が多くなります。
低金利にも関わらず元本が減らせていない場合、銀行から返済能力・金銭感覚について疑いをかけられてしまいます。
特徴3:今借りているカードローンが既に15%以下の低金利
既に述べた通り、銀行は「借り換えによる利息負担の軽減目的」しか認めません。
借り換えで結果的に利息が上がる場合、借り換えに際して特別な事情があると判断され、審査に落ちてしまいます。
借り換え審査を受けると申込者属性が再評価される
借り換えの申込みをして審査を受けた場合、申込者属性・収入と返済のバランスに対する評価が下がります。申込時の利用目的・審査結果が信用情報に記録されることにも注意が必要です。
万が一審査に落ちてしまった場合、他銀行でカードローン審査に通過することが難しくなる可能性があります。
- 借り換えが本当に必要なのか
- 審査に通過するための準備や条件が揃っているか
この2点をしっかりと確認した上で、借り換え申込みに踏み切りましょう。
まとめ
借り換えはその性格上、高額融資・低金利が条件になります。審査に通過するためには、利息を減らせば短期間で完済できることの客観的証明が必要です。
万一の貸し倒れや返済遅延を避けるため、銀行は次の点を重視します。
- 完済まで毎月無理なく支払えるか…借り換え対象の残高と毎月返済額のバランス
- 借り換えにきちんとした理由があるか…現状の金利がすでに低い・滞納や収入減など「無理をして返済をしている」と判断される要素がある場合、借り換え審査で不利になります。
借り換える・キャッシング残債をおまとめする目的をいま一度見直してから申し込むことが、失敗のない銀行系カードローン利用の秘訣です。