節約家に限らず、お目当ての商品がセールになっていると嬉しく、お得な価格に見えます。
しかし、キャッシュバックやポイントバック等でお得なように見せかけているケースは珍しくありません。
普段から半額ぐらいで売られている商品でも、セールのチラシや広告で元の価格を大きく表示し、「50%OFF!」と割引をアピールしているケースもありますし、以下のような注意点もあります。
- 送料を考えなければならない
- 衣類や靴のような物だと、ネット画像と現物のイメージが一致しない
- 交換や返品可能だとしても送料が発生する
これらのリスクがあるため、ネット通販は初見で購入する際には十分な注意が必要です。
特に数量限定や時間限定のセール品ほど、この辺の見極めが曖昧になってしまうので後悔してしまうケースがあります。
さらにセール品には別の意味でもリスクがあります。それは「目的のズレ」です。
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セールで不要品を買いやすくなる理由
ネット通販は「まとめ買いセール」や「買い回りによるポイント倍増」などのキャンペーンがよく行われています。
しかし、ネット通販のセールのお得感に影響されすぎると、ついつい目的がズレてしまいあります。
求めていた商品がたまたまセールに当たって安く購入できると嬉しいですが、この得したという嬉しい気持ちが強くなり過ぎてしまうと、わざわざセール品の中から求めていなかった商品まで購入してしまいます。
効率良く物を売るマーケティング手法は、売る側が仕掛けている戦略であり、いかに求めていない人にまで買わせるかが勝負です。
商品を求めている人にだけ売るだけでは商売が成り立ちません。
セール品=売れ残りの可能性が高いから
ライバルが皆無の商品であれば、わざわざセールにしなくても売れていきます。
ここをよく理解してほしいのですが、入荷するそばから直ぐに売れるような良い商品というのは、わざわざ価格を安くする必要がありません。
なかなか売れないからこそのセールをするのであり、元の価格設定に比べて商品の質が下回っている=ユーザーに評価されていない商品です。
「2万円の洋服をセールで半額の1万円で購入できた」「1万円の福袋で3万円相当の洋服をゲットできた」と喜んでいる人がいますが、実際にはその価格なりの価値しかありません。
例えば洋服の福袋。洋服の価格は変動が激しいので、定価で売られるのはシーズン前の新作販売の時期だけです。
夏服なら夏の半ばには2割引きぐらいになり、夏の終わりごろには半額になり、秋には8割引きぐらいになる事もあります。
それでも売れ残っているような洋服が福袋で処分されるのであり、その価格なりの価値しかありません。
もちろん、お目当ての商品を引き当てられればお得になるかも知れません。
しかし、定価タイミングでその商品だけを購入した方が、好みのデザインやカラーやサイズを選べる可能性が高くなり、不要な物を抱え込まずに済みます。
セールや福袋のお得感に引っ張られてしまうと、ついつい本来の目的から遠ざかってしまいます。
ネット通販ならではの「送料無料」で不用品を買ってしまう
ネット通販では「3000円以上購入の場合は送料無料!」の文字を見かけることも多いでしょう。
しかし「送料無料」にも不要なものを買ってしまうリスクがあります。
ネット通販が送料無料の戦略をとる理由は、ネット通販は実店舗と比べて、客寄せの為の目玉商品が少ないからです。
一般的なスーパーやドラッグストアなどのセールのチラシでは、お客さんを呼び込む為に利益度外視で目玉商品のセールを展開する事があります。
これは実際にある大手スーパーの知り合いの店長さんに聞いた話なのですが、目玉商品は仕入れ価格よりも安い価格に設定する事もあるのだそうです。
目玉商品だけをいくつも購入されると大赤字になるので、大抵は「お一人様一点限り」といった制約を設け、ついでに他の商品も購入してもらう事で売り上げをあげる戦略なのです。
例えば一点限りの目玉商品の価格が1200円だとすると、ちょうど1800円ぐらいで十分な利益が出る商品をラインナップし、同時に買わせて利益をあげるような仕組みになっています。
しかし、ネット通販は目玉商品との抱き合わせができません。
そのため、「3000円以上購入の場合は送料無料」を使って他の商品と抱き合わせる戦略を取ります。
ネット通販は送料無料のために、不要な物まで購入させられてしまうリスクがあるので気をつける必要があります。
価格の安い物は実店舗が圧倒的に有利
ポイント倍増のまとめ買いセールなども不用品を購入してしまうリスクがあります。
必要な物を必要な分だけ購入してもキャンペーン対象にならないように仕掛けられているので、ついつい不要な物や必要以上の量を購入してしまいます。
必要な物以外は近所のスーパーで購入した方がずっとお得な価格になっている場合も多く、よくよく考えるとネット通販でお得になっていないケースが珍しくありません。
高額な商品であれば送料が占める割合も小さくなるので、ネット通販のお店側が負担してくれるケースもありますが、日用品や消耗品のような価格の安い物は実店舗で購入した方が圧倒的にお得になるケースが多くなります。
実店舗の強みを活かそう!
実店舗の強みは、比較的安価な商品ほどお得な価格設定になっているだけでなく、現物を確認できるのも大きな魅力です。
私の例で言うと、革の財布を購入する際に、店員さんがお目当ての財布の在庫を全て出してくれ、「好みの風合いの財布はありますか?」と選ばせてくれました。
実際に手に取ってみると、見た目の風合いだけでなく革の硬さや縫製の違いなのか、手に収まりが良い財布とそうではない財布があり、とても満足のいく財布を手に入れることができました。
洋服や靴なども試着してみると想像と違う事が珍しくありません。
全く同じ商品でも人の手を介して作られた物には個体差があるので、より好みの物を選ぶ事ができます。
もしかしたら前に試着した人のせいで生地が伸びてしまっていたり、汚れてしまっているケースも考えられますし、木製の物だと木目の感じも随分と個体差があるものです。
個体差が少ない物や既に所有している物で評価が分かっているのであれば、ネット通販のセールなどで安く購入するのは上手な節約になってくれますが、個体差が大きな物は現物を確認できる実店舗の方が、購入後に後悔する事が少ないです。
多少の価格差ならしっかりと現物を確認した方が満足いく結果になるものです。セール価格だけに引っ張られてしまうと、安物買いの銭失いになってしまいます。
ネット通販の5つのメリットとは
ネット通販のリスクについて説明しましたが、何もネット通販がすべて悪いわけではありません。
ネット通販には以下のようなメリットもあります。
- 実店舗で売られていない商品を見つけやすい
- 重たい商品を運ぶ手間がない
- 家電製品のような高額な商品ほど実店舗よりもお得な価格になっていることが多い
- 最安値を見つけやすい
- フリマアプリは実店舗より高額で売れる
家電製品を店員と価格交渉する手間もありません。最安値を見つけやすいだけに、口下手な人にとってもありがたい存在です。
不要になった物を手放す際にもリサイクルショップで引き取ってもらうより、フリマアプリを活用した方が高額になる事が多いです。
買う際だけでなく、売る際もネット通販は活躍します。
【まとめ】ネット通販における3つのリスク
ネット通販のおかげで買い物が凄く便利になった事は間違いありませんし、セールに合わせてお得に買い物をする事は上手な節約方法ではあります。
しかし物によってはネット通販と相性が悪かったり、お得になっているようで、そうでもないケースもあるので気をつけてください。
①セールのお得感によるズレ
商品を売る側は言葉巧みに様々な誘惑(マーケティング)を仕掛けてきます。
セールという響きに弱い人ほど、本当に必要な物なのか冷静になって判断してください。
冷静になって判断するコツは、「定価でも購入する物」かどうかです。
「割引されているから買ってみようかな」と思う商品の大半は必要な物ではありません。
②実店舗の方が有利な商品もある
送料が発生するネット通販は価格の安い商品と相性が良くありません。
まとめ買いをする事で送料が無料になるケースもありますが、そのせいでそれほど安くない商品までつかまされてしまうことが珍しくありません。
消耗品であれば、いずれは使うだろうと多めに買っても悪くはないのかも知れませんが、そのような思考の人ほど家中が物で溢れかえってしまうので注意が必要です。
既に十分なストックが蓄えられているかも知れませんし、それらを整理すると部屋が一つ浮いて家賃を浮かすことも出来るかも知れません。
どんな物でも劣化は避けられないので、必要以上にストックしてしまうと損してしまいます。
③現物確認できないリスクがある
個体差の大きな物はネット通販よりも現物を確認できる実店舗で購入した方が後悔しません。
送料無料で返品が可能なネットショップもありますが、送料・返品の費用もあらかじめ商品価格に組み込まれているだけで、大抵は実店舗で購入した方が安く購入できます。
既に所有していて評価が分かっている商品や個体差の少ない物であれば悪くはありませんが、個体差が大きな物は現物を確認できる実店舗を上手く活用してください。
スーパーで野菜や果物を一つ購入する時でも、誰もが良さげな物から手に取るように、同じ価格の商品でも品質には差があるものです。
いかがでしたか?
ネット通販のセールでも意外とお得ではないケースが多いので、節約したい人は注意してください。
節約をするためには、ネット通販に潜むリスクを理解し、賢く使っていくことが重要です。
ネット通販のリスクを理解し、「ネット通販の強み」と「実店舗の強み」を使い分けて節約につなげていきましょう。